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海。

わたしのこころには時化と凪があります。

海に惹かれる性質、わたしに触れようとするものを突発的に拒絶する本能。
港で猫と共鳴し、時折見える不吉な影におびえる日々。

朝日に照らされた波のしじまをわたしは知りません。
月に荒れる汐に目をつぶり、靡くスカートを握りしめて立ちすくむ宵。

あまりにも凛とし過ぎたわたしと、
アイデンティティクライシスに陥落したわたしと、
毎日真逆の人格が顔を見せるのです。

顔をあげるたびに、違って見える景色。

後ろを振り向いてもそこには何もなく、
ただ闇に棚引く髪の毛が肌を擽るのです。

「お願いだから、わたしの足を掬わないでください。」
おびえる眼差しはこどものよう。「まるで幼い」と笑われるわたし。

その度に張る虚勢。
しかし結局、最後傷つくのはわたしであり、悪循環に限りはありません。

さざなみにすます耳。
わずかに射す灯台のあかりはわたしの影を引き延ばし、
確かにわたしはここに立っていると実感させてくれます。

疼く手足。
いずれかの闇にわたしはまた怯えて、海を目の前に佇むのです。
by fuddy-duddy_nm | 2007-03-24 03:51 | なっちゃんのできごと。
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